慢性肝炎

はじめに

慢性肝炎とは肝臓の炎症が最低6カ月以上持続している状態を指します。慢性肝炎には代表的なものとして多い順に、C型慢性肝炎190万人~230万人、B型慢性肝炎110万人~140万人、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC、5万人~6万人)、自己免疫性肝炎(AIH、1万人)などがあります。まれな疾患としては、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病などの代謝性、Budd-Chiari症候群、薬剤性、日本住血吸虫症、肝吸虫などの感染症があります。慢性肝炎は感染時期が明確ではないことや自覚症状がほとんどないことから、長期間放置されてしまい、気づいたら肝硬変や肝癌になっていることもあり注意が必要です。詳細は各疾患のページをご参照ください。

診断

慢性肝炎の多数を占めるC型慢性肝炎やB型慢性肝炎については、健康増進法に基づく健康増進事業特定感染症検査等事業にて無料で検査を受けることが可能です。詳しくは厚生労働省のページ(肝炎総合対策に関するQ&A)をご参照ください。健康増進法に基づく健康増進事業についてはお住まいの市町村の健康増進事業担当課、特定感染症検査等事業については最寄りの保健所にお問い合わせください。慢性肝炎や肝硬変の症状(倦怠感、黄疸、腹部膨満、浮腫、皮膚所見など)がおありの場合は保険適応にて検査が可能です。また健康診断などで肝炎や肝硬変が疑われた方は当院へご相談ください。採血検査、腹部超音波検査にてほとんどの慢性肝炎が診断可能です。

治療

それぞれ原因に応じた治療を行います。C型肝炎やB型肝炎では抗ウイルス療法、PBCではウルソデオキシコール酸の投与、AIHではステロイドの投与を行います。アルコール性肝炎では禁酒が基本となります。NASHでは食事、運動療法を基本とし、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧といった合併症の治療を行います。詳細は各疾患のページをご参照ください。

当院は消化器内科専門医、埼玉県肝炎医療研修会受講済み医師が診療にあたっています。肝炎について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。