大腸がん
大腸がん

大腸がんは日本人では男性、女性ともに2番目に多いがんです。近年増加傾向にあります。多くのがんに共通することですが、大腸がんも早期にはほとんど症状がありません。症状が出たときには、かなり進行していて、手遅れであることもしばしば経験します。そのため早期発見のためには、大腸がん検診(便潜血検査)を受けることが非常に重要です。便潜血検査はがん検診の中で、最も簡便な検査の一つです。また最近では、早期のがんであれば開腹せずに、内視鏡での治療が可能となりました。しかしながらごく早期の大腸がんやポリープは、便潜血検査でも陽性とならないこともあり(早期がんでは50%程度の検出率)、40歳を過ぎた方は、一度大腸内視鏡検査を受けることが勧められます。
当院でも、積極的に大腸内視鏡検査、日帰り大腸ポリープ切除を行っております。大腸がんは比較的進行のゆっくりしたがんであり、早期に発見すればほぼ100%治癒する疾患です。大腸がんが心配な方、便潜血陽性の方、血便や下痢などの症状がある方は、当院へご相談ください。
大腸がんの初期には症状はありません。ある程度進行すると、がんからの出血を認めるようになります。便に血が混ざる、排便後に出血が見られる、などの症状が出ます。
またさらに進行すると、がんが大腸管腔を塞ぐため、便の通過障害が起こります。初期には便秘症状、直腸がんでは便が細くなる、となりますが、完全に便の通過が妨げられると腸閉塞となります。排便や排ガスがなくなり、徐々に腹部が膨満、腹痛も来します。腸管内の圧力が高まると、大腸の血流障害が起こり、腸管が壊死します。腸が破けて腸内細菌が腹腔内に入り、腹膜炎、敗血症となり、最終的には敗血症性ショックで死に至ります。
一方、がんが他の臓器に転移することでも様々な症状が起こります。大腸がんが転移しやすい臓器として、肝臓や肺、腹膜などが挙げられます。
大腸がんのスクリーニング検査として、簡便で費用対効果に優れているのは便潜血2回法ですが、先にも述べた通り、早期のがんやポリープでは、陽性とならないこともあります。そのため、最も確実な方法は大腸内視鏡検査になります。腹痛や血便がある方、便潜血陽性の方は、まず大腸内視鏡検査を行います。大腸内視鏡検査と生検にて大腸がんと診断された場合、進行度(ステージ)を決定するために、各種検査を行います。一般的には、採血検査(腫瘍マーカー等)、腹部超音波検査、胸腹部造影CT検査、注腸検査、造影MRI検査、PET-CT検査などを行い、進行度を決定します。

大腸がんの治療方針は、深達度やステージに基づいて決定されます。まず深達度によって早期がんと進行がんに区別されます(下図)。

内視鏡検査にて、早期がん(いわゆるTisがん、T1軽度浸潤がん)と診断されれば、当院ではその場で内視鏡的切除を行います。内視鏡的切除を行い、病理診断にて①脈管浸潤、②低分化もしくは未分化がん、③粘膜下層1000μm以上、④断端陽性、のいずれかであれば、追加の外科的切除(提携医療機関にて)を行います。①~④に該当せず、完全切除された場合は、半年~1年後の経過観察となります。早期のがんであっても、2cm以上の大きいもの、内視鏡操作が困難、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が望ましい、抗血栓薬内服や高齢者などハイリスク、の場合は提携医療機関に紹介させていただきます。
内視鏡的治療の適応とならない進行したがんの場合、多くは外科的切除となります。原発巣の完全切除、所属リンパ節の郭清が行われます。切除可能な遠隔転移を有する症例では、原発巣と遠隔転移巣を同時あるいは異時に施行します。切除不能の遠隔転移を有する症例では、狭窄解除や出血コントロール目的に原発巣の摘出を行う場合もあります。治癒切除例、非治癒切除例、あるいは非切除例いずれについても、化学療法が施行されることが多いです。進行直腸がんでは、放射線療法も行われる場合があります。



何度も繰り返すようですが、大腸がんは早期発見でほぼ100%治癒する疾患です。毎年の大腸がん検診を受けられないのは、非常に危険で、愚かな行為であることはもちろんですが、便潜血が陰性でも安心せずに、一度は大腸内視鏡検査を受けられることをお勧めします。
当院では専門医資格を持った院長自ら検査を施行し、希望の方は鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査も可能です。万が一ポリープや早期の大腸がんを認めた場合は、その場で切除することも可能です。
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