咳(咳嗽)とは
咳とは気道に侵入した異物や分泌物を即座に排出するための、生体反射の一つです。咳は呼吸器系の病気のほとんどで起こる症状で、咳を来す疾患には様々なものがあります。また心臓や消化器の疾患で起こる場合もあります。咳はまず痰を伴わない乾性咳嗽(かんせいがいそう)と痰を伴う湿性咳嗽(しっせいがいそう)に分けることができます。それぞれ急性、および慢性の経過によって鑑別する疾患が異なります。
乾性咳嗽:
急性:刺激物の吸入、過敏性肺炎、マイコプラズマ肺炎、新型コロナウイルス肺炎、胸膜炎、気胸など
慢性:間質性肺炎、咳喘息、百日咳、気管支結核、逆流性食道炎、ACE阻害薬、非結核性抗酸菌症
湿性咳嗽:
急性:ほとんどのウイルス感染症、細菌感染症がここに当てはまります。肺炎、肺水腫、心不全などが挙げられます。
慢性:気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症など
上記以外にも咳を来す疾患は数多くあります。また肺癌や結核などの生命にかかわる疾患も多数あります。
診断
当院では咳の種類や経過、随伴症状に加えて、既往歴や家族歴、年齢や喫煙などの嗜好歴、渡航歴、内服薬、感染症の流行状況などを考慮しながら、鑑別診断を行っていきます。採血検査、血中酸素飽和度の測定、各種抗原検査、胸部レントゲン、心臓超音波検査どを行います。また必要に応じて胸部CT(提携医療機関にて)や胃内視鏡検査を行う場合もあります。癌や結核などの悪性疾患を除外することが何よりも重要です。なお当院では新型コロナウイルス感染症の診療は行っておりません。
治療
診断がつき次第、原病の治療を優先しますが、対症療法として鎮咳薬や抗アレルギー薬、吸入薬等の処方を行います。当院では可能な限り確定診断を行い、ガイドラインに沿って治療を進めていきます。肺癌や肺結核、間質性肺炎など専門医療機関での治療が必要な場合は紹介させていただきます。咳でお困りの方はぜひ当院へご相談ください。