めまい

はじめに

めまいとは「目がぐるぐる回っている」というような回転性めまいと、「体がふわふわする、よろめく」というような浮動性めまいにの2つに分類されます。めまいを主訴にクリニックを受診される患者様は非常に多く、原因も多岐にわたりますが、命にかかわる緊急性の高いめまいを見逃さないことが重要です。

原因・分類

回転性めまい、もしくは浮動性めまいであっても、まずは全身性か、神経系か、循環異常によるものかを判断します。全身性では脱水や発熱、貧血によるものを考えます。また循環異常では血圧の異常、不整脈などを考えます。しかし一番多いのは神経系であり、この項では神経系について説明させていただきます。

神経系の場合、まず中枢性か末梢性かを判断しなければなりません。中枢性めまいとは脳出血や脳梗塞、腫瘍などの脳疾患によるもので、末梢めまいとは内耳や前庭神経に起因するものを指します。一般的には下図のような特徴があります。しかしながら、必ずしも下図に当てはまらない場合もあり注意が必要です。例えば小脳出血でも、強い回転性めまいが生じることがあります。

中枢性めまい:脳幹出血、脳幹梗塞、小脳出血、小脳梗塞、腫瘍、変性疾患、多発性硬化症など

末梢性めまい:良性発作性頭位変換性めまい(BPPV)、前庭神経炎、メニエール病、突発性難聴など

診断

当院ではめまいで受診される患者様に対して、来院された時点でトリアージを行います。意識障害、髄膜刺激症状、神経所見が見られる方、上記のような中枢性めまいが疑われる方は、提携医療機関に紹介もしくは緊急搬送させていただきます。

問診:それ以外の患者様では、まず詳細な問診を行います。めまいの発症時期、持続時間、随伴症状の有無、既往歴、家族歴、内服歴、外傷歴、過去のめまい歴などを聴取します。

身体診察:バイタルサインの確認、瞳孔や対光反射、眼球運動、髄膜刺激症状の有無、その他の脳神経症状、小脳症状を確認します。

検査:以前から繰り返しており、末梢性と診断されているめまい持ちの方には、積極的には検査を行わないことが多いです。しかしながら初診患者様では、軽いめまいであっても一度は頭部CTや頭部MRI(提携医療機関にて)を受けられるように指導しております。

治療

末梢性めまいであれば対症療法を行います。抗めまい薬の内服、もしくは点滴による治療を行います。突発性難聴であればステロイドの投与が必要となるため、耳鼻科へご紹介させていただきます。